トラリピが進化した! iサイクル注文ってなに?18分で解る、iサイクル注文

「iサイクル注文」とは、FX(店頭外国為替証拠金取引)を行っている外為オンライン社が提供している取引方法です。
外為オンライン社のホームページによるとiサイクル注文とは

あらかじめ設定した変動幅の中で、一定間隔の値幅で複数のIFDONE+OCO注文を同時発注し、決済注文が成立後、レートの変動に合わせて変動幅を追従させ、新たな注文条件のIFDONE+OCO注文をシステムが自動的に繰り返し行う連続注文機能です。

これで、理解した人は、FX(外国為替証拠金取引)に詳しい方なので、「iサイクル注文を理解するための基礎知識」は読み飛ばして結構です。 理解できなかった人は、iサイクル注文を一歩ずつ理解して行きましょう。

iサイクル注文を理解するための基礎知識

iサイクル注文は、 成行注文→指値・逆指値→イフダン・イフダンOCO→リピートイフダン→トラップリピートイフダン(トラリピ)
→iサイクル と進化したFXの取引方法の一つです。各注文方法を一つずつ簡単に説明します。

FX取引方法 進化の系譜

iサイクルは、進化したFX取引方法のひとつです。

FXの基本

FXの基本は「通貨を安く買って、高く売る」もしくは「通貨を高く売って安く買う」です。

たったこれだけです。

例えば、USD/JPY 100.00で買って(新規注文する)、101.00で売れば(決済する)、1.00分の利益になります。
1.00分の利益が日本円でいくらになるのかは、取引通貨単位やらが必要になるので、ここでは省略。とにかく、1.00分だけ儲かった ということです。

成行注文とは?

成行注文とは、今のレートで売買することです。

先の例でいえば、新規注文時にたまたま100.00だったから100.00で買ったということです。 また、決済注文時にたまたま101.00だったので101.00で決済できたということですね。

指値・逆指値注文とは?

さて、成行注文だと、その時のレートでしか売買できません。そこで、指値注文です。
指値注文とは、レートを指定しておいて自動で売買する注文方法です。

具体的には、「あるレートになったら買う(新規注文する)」「あるレートになったら決済する」とシステムに登録して、自動的に売買させます。

例えば、現在USD/JPY 100.00のレートだとすると、
「より安く買いたいので、99.00で指値をする」や、「より高く売りたいので、101.00で指値をする」といった形です。

逆指値注文は、レートを指定して売買するという注文方法という意味で指値注文と同じです。
ただし、逆指値注文は、レートが悪い方向に向かった時用の注文方法です。
(逆指値と比べて、指値はレートが良い方向に向かった時用の注文方法ということですね。)
例えば、現在USD/JPY 100.00のレートだとすると、 「高く買うので、101.00で逆指値をする」や、「安く売るので、99.00で逆指値をする」といった形です。 通常、逆指値は、今、保有しているポジションを、あるレートで逆指値することで、そのレート以上負けないようにするために使われます。

ちなみに、利益が確定している形で、決済することを「利食い」、損失が確定しているところで、決済することを「損切り」と言います。 さてここまで来るとあとは、どういう条件で、どんなタイミングで指値・逆指値を入れるかということになります。
その「どういう条件で、どんなタイミング」で指値・逆指値を行うかのいろいろな注文方法が、この後の説明になります。

イフダン(IFD)・イフダンOCO(IFD-OCO)・成行OCOとは?

イフダン(IFD)

イフダン(IFD)とは、一つ目の指値を注文し、その指値が約定した後の決済用の指値を同時に注文する注文方法です。

一つ目の指値が約定すると、自動的に2つ目の注文が有効になります。
例えば 「99.00になったら買いの新規注文と、101.00になった売りの決済注文を同時に注文する。」といった感じです。

「99.00になって買いの新規注文が約定したら、101.00の決済用の指値注文が有効になる」のですね。

このイフダン(IFD)では、新規注文に対して、1つの決済用の指値注文しかできません。
新規注文で約定したポジションに対して、もし決済用の指値で指定したレートと逆方向にレートが進んだ時は、 「気が付かないうちに、大きな損失になって・・・・」ということにもなりかねません。

イフダンOCO(IFD-OCO)

そこで、イフダンOCO(IFD-OCO) イフダンOCO(IFD-OCO)とは、一つ目の指値を注文し、その指値が約定した後の決済用の注文を指値と逆指値の2つを 同時に注文する方法です。

例えば 「99.00になったら買いの新規注文と、101.00になった売りの決済用の指値注文と98.00になったら売りの決済用の逆指値注文を同時に注文する。」といった感じです。
これで、最初に約定したポジションが、良い方向のレートになったも悪い方向のレートになっても安心というわけですね。

さらに、 新規注文を指値ではなく成行注文で行い、決済注文の指値と逆指値の2つを同時に注文する方法が成行OCOです。

リピートイフダンとは?

リピートイフダンは、マネースクウェア・ジャパンのオリジナル注文方法です。
リピートイフダンとは、イフダン注文を繰り返し行う注文方法です。
イフダン注文は、新規注文と決済注文がペアになった2つの注文を出して、最終的に決済注文が約定したら終わりです。
リピートイフダン注文は、同じイフダン注文を自動で繰り返し行う注文方法です。
つまり同じイフダン注文を繰り返し、なんども同じところで利食いをしようという注文方法です。

このリピートイフダンは、一つのイフダンを繰り返し行う注文方法ですので、そのイフダンの範囲にレートがない時は 何も起きません。

トラップリピートイフダン(トラリピ)とは?

このトラップリピートイフダン(トラリピ)も、マネースクウェア・ジャパンのオリジナル注文方法です。
トラリピは、リピートイフダンを拡張し、初めに仕掛けるイフダンをあるレートの範囲で複数行うことで、 ある範囲内でのレートの動きにより、どこでも利食いができる注文方法です。

なお、このトラリピの注文方法は、外為オンラインのサイクル注文(iサイクル注文ではなく)とほぼ同じです。
大きな違いは・・・

トラリピ:仕掛けるリピートイフダンの注文数とリピートイフダン間の幅(値幅)を設定する。その結果、レートの変動幅が決まる。

サイクル注文:ある期間(1か月、2か月、3か月、半年、一年)から自動でレートの変動幅が表示され、その変動幅により、注文数と値幅が自動算出される。

自分の経験から設定するならトラリピ、過去のデータを参照しながら設定するならサイクル注文というところでしょうか。

さて、このトラリピは、あるレートの変動範囲が想定されて、その範囲内をいつもレートが上がったり、下がったりしている時は 非常に有効です。しかし、ある範囲を超えたところで、レートが上がったり下がったした場合には、なにも起きなくなってしまいます。

つまり、良い方向で範囲外になった時は「儲け損ないのリスク」が、悪い方向で範囲外になった時は、 「そのうちロスカットが発生するかもしれない。損失リスク」と、悪い方向の範囲でレートが上限することにより「儲け損ないのリスク」が発生します。

iサイクルとは?

iサイクル注文は、外為オンラインのオリジナル注文方法です。
トラリピの問題点である「範囲外になった時」を解消し、「範囲外にならないようにしよう」つまり、「範囲を自動で補正しよう」という注文方法です。
これにより、iサイクル注文では、レートが変動範囲を超えても、新たな範囲が設定されて、その範囲内でのレートの変動で新たな利食いを行うことができます。

トラリピはイフダンを複数注文しますが、iサイクルは、イフダンOCOを複数注文します。
補正は、範囲の端っこのポジションが利食いした時に、それよりより良い注文を成行OCOで行い、 さらに、反対側の端っこのイフダンOCO注文を取り消すことで行われます。
この動作によりレートの変動範囲が相場の変動に追従したことになります。

比べてみようトラリピとiサイクル注文

レートの動きを想定してトラリピとiサイクル注文(サイクル注文も)での損益を比較してみましょう。

前提:変動幅:150pips / ポジション数:3 / 値幅間隔:50pips / 1000通貨単位 / 利食い:50pips / 損切り:1.5pipis
凡例:  ・・・新規約定 / ・・・決済約定 / ・・・決済約定(損切り) / A~F・・・ポジション

初めに設定した変動幅内
レートが動いた時

このような、想定した変動幅内をレートが上下する場合、売買損益は、iサイクルもトラリピも同じになります。 ただし、手数料とスプレッドが、iサイクル>トラリピなので、合計の累計損益でiサイクルにメリットがあります。

レート 損益
iサイクル トラリピ サイクル
事象 売買損益 手数料 スプレッド 実質損益 累計損益 事象 売買損益 手数料 スプレッド 実質損益 累計損益 事象 売買損益 手数料 スプレッド 実質損益 累計損益
100.00 A 40 -40-40 A 50 -50-50 A 40 -40-40
99.50 B 40 -40-80 B 50 -50-100 B 40 -40-80
99.00 C 40 -40-120 C 50 -50-150 C 40 -40-120
99.50 C500010490370 C5005040410260 C500010490370
100.00 B500010490860 B5005040410670 B500010490860
100.50 A5000104901350 A50050404101080 A5000104901350
100.00 D 40 -401310 D 50 -501030 D 40 -401310
99.50 E 40 -401270 E 50 -50980 E 40 -401270
99.00 F 40 -401230 F 50 -50930 F 40 -401230
99.50 F5000104901720 F50050404101340 F5000104901720
100.00 E5000104902210 E50050404101750 E5000104902210
100.50 D5000104902700 D50050404102160 D5000104902700

初めに設定した変動幅より上
レートが動いた時

初めに想定した変動幅よりレートが上方向に行った場合にトラリピは、取引が行われません。折角の利益を得るチャンスを逃しています。
対して、iサイクルは自動で変動幅を補正がされたことにより、利益を得ることに成功しています。

レート 損益
iサイクル トラリピ サイクル
事象 売買損益 手数料 スプレッド 実質損益 累計損益 事象 売買損益 手数料 スプレッド 実質損益 累計損益 事象 売買損益 手数料 スプレッド 実質損益 累計損益
100.00 A 40 -40-40 A 50 -50-50 A 40 -40-40
100.50 A500010490450 A5005040410360 A5005010490450
B 40 -40410
101.00 B500010 490 900 -    360 -    450
C 40 -40860
101.50 C5000104901350 -    360 -    450
D 40 -401310
102.00 D5000104901800 -    360 -    450
E 40 -401760

初めに設定した変動幅より下
レートが動いた時

初めに想定した変動幅よりレートが上方向に行った場合にトラリピは、取引が行われません。折角の利益を得るチャンスを逃しています。
対して、iサイクルは自動で変動幅を補正がされたことにより、利益を得ることに成功しています。

レート 損益
iサイクル トラリピ サイクル
事象 売買損益 手数料 スプレッド 実質損益 累計損益 事象 売買損益 手数料 スプレッド 実質損益 累計損益 事象 売買損益 手数料 スプレッド 実質損益 累計損益
100.00 A
 40 -40-40 A 50 -50-50 A 40 -40-40
99.50 B
 40 -40-80 B 50 -50-100 B 40 -40-80
99.00 C
 40 -40-120 C 50 -50-150 C 40 -40-120
98.50 A-1500010-1510-1630 -    -150 -    -120
D
 40 -40-1670
98.00 B-1500010-1510-3180 -    -150 -    -120
E
 40 -40-3220
98.50 E
500010490-2730 -    -150 -    -120
98.00 F
 40 -40-2770 -    -150 -    -120
98.50 E
500010490-2280 -    -150 -    -120

上記表ではiサイクルが負けているように見えますが、初めに設定した変動幅の外で発生する利食いの回数によって累計損益が大きく変わります(上記表の場合は2回のみ発生)ので、同じような状況となってもiサイクル>トラリピとなる可能性は大いにあります。

手数料比較

手数料は、 iサイクル注文・トラリピ・サイクル注文を行った時の手数料と実質の手数料であるスプレッドを合算したものです。
取引をするなら手数料が小さいほうが良いですね。

1,000通貨単位の場合の手数料

iサイクル トラリピ サイクル
値幅20pipsより大きい 値幅20pips以下(せま割20)
取引手数料(新規) 40 50 10 40
取引手数料(決済) 0 50 10 0
スプレッド(USD/JPY) 10 40 40 10
合計 50 140 60 50

10,000通貨単位の場合の手数料

  iサイクル トラリピ サイクル
値幅20pipsより大きい 値幅20pips以下(せま割20)
取引手数料(新規) 400 300 100 400
取引手数料(決済) 0 300 100 0
スプレッド(USD/JPY) 100 400 400 100
合計 500 1000 600 500

損益比較まとめ

初めに設定した変動幅内
レートが動いた時

トラリピと動作が同じであるが、手数料やスプレット分で有利

初めに設定した変動幅の上
レートが動いた時

利食いのタイミングが大いに発生するので断然有利

初めに設定した変動幅の下
レートが動いた時

変動幅の下で何回利食いできるかによって有利/不利が決まる

トラリピと動作が同じであるが、手数料やスプレット分で有利

iサイクル注文は、あるレートの変動幅無いにある時は、トラリピを同じ結果になります。 更にレートが動いて、その中でレートが上下した時でも効力を発揮するという注文方法ということですね。 iサイクル注文の効力、お分かりいただけましたか。

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